【新唐人2012年6月30日付ニュース】最近、中国広東省で集団抗議が頻発しています。“次の温家宝”と呼ばれている汪洋広東省書記がどのように対処するのか、注目されています。烏坎村事件では開明的な態度で評価された汪書記ですが、改革派は果たしていつまで持つのか。また、共産党の体制問題に触れたとき、まだ前に進むことができるのか、などの疑問の声も聞かれます。また、敏感なこの時期に広東省でトラブルがとりわけ多い背後に、周永康などの黒幕の存在を指摘する声もあります。
広東省では集団抗議事件が頻発しています。25日、退役軍人およそ700人が広州市政府に仕事の斡旋と優遇政策の実施を求めました。
25日午後、佛山市では村民2000人が、勝手に土地を売って私腹を肥やした村の書記
26日、汕頭(スワトウ)市でもやはり村民3000人がデモを行い、村の幹部の汚職および地元製紙工場の廃水による汚染を訴えました。
25日、中山市沙渓鎮で、地元の13歳の少年とトラブルを起こした重慶籍の少年が地元治安隊員に暴行されて重傷を負った上、見せしめに遭う事件が発生しました。このことは四川籍農民工らの怒りを招き、およそ1万人が鎮政府を取り囲む事態にまで発展しました。当局は1000人以上の機動隊や警官隊を出動し、鎮圧。香港メディアによると、少なくとも18人が死亡し、負傷者は300人以上に上るそうです。
ロイター社によって“次の温家宝”と呼ばれている汪洋広東省書記が最近、外国視察を行いました。オーストラリアのABCラジオは、“汪書記は中国政界の新しいスターで、改革派のリーダー格の一人だ”と称えました。
去年、烏坎村では村民らは大規模抗議を行い、村の共産党幹部を追放。数ヶ月間抗議を続け、村の自治権を獲得しました。
汪洋書記は当時、烏坎村を広東省の村レベルマネージメント改革のモデルに掲げました。これに対し、ネット作家の呉さんは、共産党の利益に触れたとき、改革派は前に進む事ができるのかと、疑問を投げかけます。
ネット作家 呉建国さん
「広東で頻発する抗議事件は一つのきっかけでもあります。烏坎村事件の時の様に、汪洋書記が末端部で真の民主選挙を実施できるかどうかです。現在の問題はこのような改革がいつまで持つかです。烏坎村は小さな村で無視できる存在です。しかし、範囲が大きくなると特には中共自身の利益に触れたとき、この改革派はまだ進む事ができるかどうかこれは大きな問題です」
アメリカ在住の社会問題学者・張さんは、中国ではある特定の個人の執政で本質的な変化が現れたことはなく、問題の本質はリーダーではなく、体制にあると指摘します。
在米社会問題学者 張健さん
「中国ではいくら献身的にやっても、この現象は変えられません。地方の小官僚のときは手中の権力で、特定の地域や一部分の庶民に多少の福祉を与える事ができても、しかしこの福祉も中共の統治が基礎です。庶民が中国の統治に少しでも疑いを持ったときは、或いは政権の転覆を考えたら、この福祉はすぐに残酷な鎮圧に変わります」
中山市で発生した衝突は四川省からの農民工が主体となっていますが、政法委員会書記の周永康はかつて四川省の書記を務めたことがあります。歴史学者の劉さんは、広東省での一連の事件の背後に黒幕がいるのではと疑います。
歴史学者 劉因全さん
「例えば、彼らは警察に指図してわざとトラブルを激化させます。四川農民工の事件は人為的に造った。事件としか思えません。李旺陽が湖南で自殺させられたのとよく似ています。周知のとおり周強湖南書記は青年団派です。政法委員会の人らは意図的に、李旺陽事件を造って、罪を周強に着せるのです。広東も同じで、彼らが意図的に事件を激化させている可能性があります」
また、周永康派は7月1日香港を訪れる予定の胡錦涛主席にも、様々なトラブルを用意してあると推測します。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/工)